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副業・フリーランスエンジニアが知っておくべき契約形態の種類

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Nash
SE→Webエンジニアに転職後、フリーランスとして独立し、北米でソフトウェアエンジニアをしていました。

副業・フリーランスのエンジニアが契約することになる内容として大きく下記のようになります。

    1. 請負契約
    1. 準委任契約
    1. 顧問契約
    1. 口約束

それでは1つずつ見ていきます。

1. 請負契約=成果物に対して報酬を受け取る契約

「成果物」に対して報酬を受け取れる契約です。具体的には、このような内容です。

  • プログラムを作りそのソースコードを納品することで、報酬を受け取る
  • インフラを含めてシステムを作り上げてその環境を納品することで、報酬を受け取る

メリットとして、 再委託が可能な点です。つまり、自分が契約を請け負って他のエンジニアに仕事を発注することができます。

デメリットとして、 納品物に対しての法的責任が強いです。完成責任があり、また成果物のバグなどに対して保証をしないといけないといった瑕疵担保責任があります。 また、トラブルの可能性も高く、具体的には相手の言っていた仕様と違うものになってしまう、または相手の言うことが変わってその変更までをこちらに押し付けてくる、などです。 他にも、実装が難しく時間がかかるとそれだけ報酬が減ることにもなります。 最悪の場合は、実装ができずに納品ができなくて契約違反となり違反金を支払うことになり、かけた時間的コストも含めると大きな損失となります。

特徴として、ハイリスク・ハイリターンな点です。 時間的制限が強くリスクも高い契約なので副業ならおすすめしません。 フリーランスとしてなら、「売り上げの天井を突き抜けるため」と言う理由で選択肢の1つかと思います。 ただしリスクは高いため、リスクに耐えうるだけの資金の用意、時間の確保、失敗しても良いバックアッププランなども必要です。

2. 準委任契約=時間に対して報酬を受け取る契約

「稼働時間」に対して報酬を受け取れる契約です。具体的このような内容です。

  • 時間給: 単価が1時間あたり3,000円の契約で、ある月に10時間働いたらその月の報酬は30,000円
  • 月給: 単価が1ヶ月あたり80万円で月の稼働時間が160時間で契約したら、その月の報酬は80万円

メリットして、 納品物に対しての法的責任が弱いです。完成責任がなく、また成果物に発生してしまったバグ修正の責任を持つ瑕疵担保責任も弱いです。

デメリットとして、スケールする力が弱くて、労働力が商品となるため時間の切り売りとなる傾向があります。

特徴として、ローリスクミドルリターンである点です。 リスクが低い契約なので副業なら最適だし、フリーランスでも基本的におすすめしています。 また、エンジニアの単価は高い傾向なため得られるリターンも多いです。 その代わり、どこまで行っても時間の切り売りとなるため売り上げの天井があります。 つまり、いくら単価をあげても売上を作るために絶対に稼働時間が必要になります。

3. 顧問契約=アドバイスに対して報酬を受け取る契約

「アドバイス」に対して報酬を受け取れる契約です。具体的には、このような内容です。

  • 固定給:月に10万円を受け取れる契約で、相手からの質問に答えたり事業や技術的なアドバイスをする
  • 時間給:単価が1時間あたり1万円で契約して、ある月に10時間分の会議などで稼働したらその月の報酬は10万円

メリットとして、 時間あたりの単価が高い点です。 高度な専門知識となるため準委任よりもより高単価な傾向があります。

デメリットとして、 準委任よりも強い成果主義となります。 例えば、相手からの質問に答えるだけの受け身だけでなく、 どうすれば事業・プロジェクトを成功に導けるかのアドバイスや指針を立てること自体も仕事内容となります。 また、契約解除のリスクが高めです。 「成果を出せなかった」と能力不足の理由以外にも、相手側の「予算縮小」などの相手都合でも解除されやすく、特にコストカットされやすい契約です。

特徴として、ミドルリスクハイリターンである点です。 基本的には責任が弱い契約ですが、得られる報酬が高いためリターンも高いです。 また、1社あたりの契約時間が少ない傾向があります。 理由として、単価が高いため1社が支払える金額が限られているためです。 そのため、稼働時間を多く取れない副業と特に相性がいいです。

4. 口約束

契約書を結ばずに口約束で契約をする形態です。

もし相手が知人ではなく一見さんだったり会社なのに、契約書を作らずに進めるなら高い確率でトラブルが起きるので仕事自体を断ることをおすすめします。 ただ1番よくあるのが知人からの依頼など信頼関係がある状態のときに口約束が起きやすいです。

口約束は、契約書を作るほどでもないと言う場合に使われます。 ただ、トラブルが起きる可能性も高いし、法的な保護がないためハイリスクなので、契約書は基本的に作成してください。 それでもいろんな理由から口約束になってしまうのですが、口約束となるならせめてメールなど文面として残すことを強くおすすめします。 きちんとお互いに納得した内容で約束をしていることを記録しておけば、トラブルになったときに泣き寝入りをする可能性を減らせるので。

まとめ

この記事では、副業・フリーランスエンジニアが知っておくべき契約形態の種類について解説しました。

この記事がどなたかの参考になれば幸いです。