【副業一覧】エンジニア向け副業の種類は何があるか?
現在は技術面接官をしていてエンジニア副業を希望する候補者に技術面接をしています。
この記事で紹介する 「エンジニア向けの副業種類の紹介」 を読むと、
「副業ごとの比較、メリット・デメリットが理解できた上で、どういった観点で副業を選べばいいのか」を知ることができるようになります。
おすすめのエンジニア向けの副業の何があるか
結論、エンジニアにおすすめしている副業としては フロービジネスなら「開発」「技術顧問」 で、 ストックビジネスなら「無形資産特化の技術ブログ」「個人開発」 です。
特に、最初のはじめる副業としては 「開発」はローリスクでハイリターンで、 「無形資産特化の技術ブログ」はローリスクでミドルリターンなので、これらをおすすめしています。
エンジニアに向いている副業のリストは下記の通りです。
- フロービジネスのエンジニア副業
- 開発
- 技術顧問
- プログラミング講師
- メンター
- UI/UXデザイン
- エンジニアライター
- ストックビジネスのエンジニア副業
- 技術ブログ
- 文字コンテンツ
- 動画コンテンツ
- 教材コンテンツ
- 個人開発
では、私がどういう基準でエンジニア向けの副業を決めていて、 その中でもなぜ開発と技術ブログをおすすめしているのか? また、フロービジネスやストックビジネスとは何か、それぞれの副業のメリット・デメリットは何か、などを説明していきます。
まずは、そもそもエンジニアの副業選びについての考え方から紹介していきます。
エンジニアの副業選びについての考え
まず、副業を選ぶ前に下記の概念について紹介させてください。
- 資産性|有形資産と無形資産の違い
- ビジネス種類|ストックビジネスとフロービジネス
- 契約種類|準委任・請負・顧問契約
- 単価|エンジニアは高単価
それぞれについて、説明していきます。
資産性|「有形資産」と「無形資産」の違い
資産には「有形資産」と「無形資産」の2つに分けることができます。
「有形資産」は現金など目にみえる直接的なモノで、「無形資産」はスキル・キャリアなど間接的なモノです。 副業において大事なのは、下記の点です。
- 副業でも「有形資産」と「無形資産」の両方を稼げれる
- 副業の種類によって「有形資産」と「無形資産」の量と質が違う
- 「有形資産」と「無形資産」のどちらを重視するかは、個人の価値観による
- 「無形資産」の中からどれを重視するかは、個人の価値観による
詳細はこちらで紹介しています。 一般的な知識だけでなく、エンジニアの場合における有形資産と無形資産の考え方などを踏まえて解説しています。
ビジネス種類|ストックとフロー
おすすめの副業の種類として、 まずは フロービジネスで副業を始めること をおすすめしており、 特にストックビジネスは稼ぐのが難しいので副業や事業に慣れてから考えはじめても良いかと思います。
ビジネスには「ストックビジネス」と「フロービジネス」の2つの種類があり、 一言でいうと下記のような違いがあります。
- フロービジネス: 時間を売るビジネス
- ストックビジネス: 資産を作るビジネス
正社員しか経験がないと、フロービジネスしか知らず、特にフローとストックのビジネスの違いを知らないかもしれません。 ですが、副業をするときはこの違いはかなり大事なので、こちら詳細を解説しているので理解してから進むといいかと思います。
契約形態|副業では請負契約はやめておく
副業の契約形態としてのおすすめは、準委任契約 か 顧問契約です。
まず、副業では下記の3つの契約種類のどれかになるかと思います。
- 準委任契約: 時間に対して報酬が支払われる契約
- 請負契約: 成果物に対して報酬が支払われる契約
- 顧問契約: アドバイスに対して報酬が支払われる契約
請負契約は、期日までに成果物の納品をしないといけないため、時間と品質に対して責任が強い契約となります。 副業では、稼動できる時間は少ない上に本業が忙しくなると時間の確保がさらに難しくなるため、こういったハイリスクな契約は避けるべきです。 その点、準委任・顧問契約のように稼働した時間に対して報酬が発生する契約をおすすめしています。
詳細はこちらで紹介しています。
単価|エンジニアは高単価
現在の市場では、エンジニアの単価は高い傾向です。
理由としては、エンジニアの供給が足りていないことがあります。 また、エンジニアの仕事であるシステム開発によって会社は高い利益を出せるため、エンジニアへ支払う単価も高くなります。
ここで考えておきたいのは、「高い単価のエンジニアの仕事」を基準にして副業は比較して選ぶことです。 例えば、下記のような副業は開発の仕事よりも単価が低いです。 その上、無形資産としてスキルやキャリアもエンジニアの開発の仕事よりもあまり得られないです。 そのため、おすすめしていません。
- せどり
- 単純作業(データ入力など)
- 動画編集
フロービジネスのエンジニア副業
ここでは、エンジニア向けの副業の中でフロービジネスを紹介していきます。
「単価 x 必要スキル」 の観点でマッピングしてみました。 注意書きなのですが、 例えば、「講師」の仕事でも「地元のパソコン教室」なのか「大企業の研修講師」なのかで単価感は全く違います。 そのため、このマッピングはあくまで参考程度にしてください。
では、ここから1つずつみていきます。
1. アプリケーション開発
エンジニアとして、アプリケーション開発などを行う副業です。具体的には、下記のようなものです。
- フロントエンド開発
- バックエンド開発
- モバイル開発
- インフラ・クラウド構築(少し違いますが、このセクションであわせて説明します)
「現役エンジニアがはじめての副業」という場合は、まずは開発の副業から始めるのがおすすめです。 というのも、数ある副業の中でもローリスクなのにミドル〜ハイリターンだからです。他にも、下記のような特徴があります。
- 単価が比較的高い(有形資産)
- スキル、キャリア、コネクションも多く得られる(無形資産)
- 本業と近い仕事なので、すぐに成果を出しやすい
- 需要があるのにエンジニア不足で、仕事を見つけやすく優遇されている
- フルリモートが多い
- 技術顧問のパスがある
2. 技術顧問
エンジニアとして、技術的なアドバイスを行う副業です。 広義のITコンサルと考えるとわかりやすいかと思います。
具体的には下記のような仕事です。
- 技術的な相談に乗る、アドバイスをする
- 事業に対して技術的な戦略を立てる
この副業の特徴としては、下記の通りです。
- 単価が、かなり高い(有形資産)
- スキル、キャリア、コネクションが多く得られる(無形資産)
- 案件を探すのがやや難しい
- 長期的な契約継続が難しい
- 1社あたりの稼働時間が短いので、稼働時間を多く取れない副業と相性がいい。
技術顧問は副業と相性がいい一方で、探したり継続するのが難しい仕事です。 特に一般的なエンジニアとしては、いきなり技術顧問を探すのはスキルの観点で難しいです。 そのため、まずは開発の副業から初めて、成果を出した後に技術顧問に契約形態を変えていく戦略を目指すのが現実的かと思います。
3. プログラミング講師
ITエンジニアの講師として、プログラミンなどのITスキルを教える副業です。具体的には下記のような仕事になります。
- スクールに雇われて講師として活動する
- 技術に関して講義形式、1on1形式で教える
特徴としては、下記のような点があります。
- 単価はやや低め
- 得られる無形資産が本業と違う(キャリア、スキル、コネクション、高い幸福度)
スクール講師が得られる資産としては下記のような点です。
- アクティブラーニング:教える過程で自分も学習できる
- キャリア:「講師をしていた」というキャリアを得られる
- Well-Being:感謝される
副業としてのプログラミング講師を考えていきます。 まずは、開発の副業と比較すると得られる資産(単価、スキル、キャリア)はやや少なめです。 ですが、講師の特徴としては、開発とは違う資産を構築できる点があります。
キャリアの観点だと、本業のエンジニアをしていても講師をする機会は少ないため、講師をしておくと将来的にキャリアの幅が広がります。 特に、ステップアップとしては、独立したり、単価が高いtoB向けの研修講師などの選択肢もあり得ます。
他の観点だと、講師は一般的に権威性が高く、また生徒から感謝される仕事です。 「お金をもらって感謝される仕事」というものは数が少なく、幸福度が高いものと言えるかと言えます。
4. メンター
エンジニア向けのメンターとしてプログラミングを教える副業です。
先に結論なのですが、メンターはおすすめしていないです。 理由としては、高コスト+ミドルリスクなのにローリターンだからです。 具体的には、マネタイズができるまでの手間が多く、SNSで誹謗中傷されるリスクも他よりも高く、それなのに単価が低いフロービジネスという点です。 ここからは、メンターの紹介をしていきます。
仕事内容としては、スクール講師に近く下記のような内容です。
- プログラミングの勉強をしている人に教える
- 就職、キャリアなどの相談などに乗る
特徴としては、下記のような点かと思います。
- 単価が低め
- 得られるキャリア、スキル、コネクションが少ない
- メンターを見つける営業活動も、自分でやらないといけない
- メンターをする上での教材準備も、自分でやらないといけない
- 誹謗中傷や炎上を受けるリスクが他よりも高い
- メンターである自分自身に強く依存するビジネスなので事業化しにくい
- 実際にMENTORの上位陣を見ても、稼げている金額が低い
副業として
トップのメンターがどれくらい稼いでいるのかなど、調べてあるので気になる人はどうぞ。
5. UI/UXデザイン
UI/UXデザインを行う副業です。具体的には下記のような内容です。
- Figma などで、アプリケーションのデザインを行う
- サービス設計、情報設計、デザインの作成などを行う。
特徴として、下記の通りです。
- 単価として、エンジニアよりはやや低いです。特にスタート時は経験が少ないはずなのでさらに低めになります。
- デザインスキルを得られる
- エンジニアとして、デザインエンジニアになるキャリアパスができる
- 本業の仕事の幅が広がる。
個人的な考えとして、下記のような観点でこの副業は見ています。
- デザインエンジニア
- フロントエンドエンジニアのキャリアパスの1つとして、デザインエンジニアがあるが希少性が高い(儲かるというわけではない)
- UI/UX が好きなフロントエンドエンジニアには、個人的におすすめしている。
- ビジネス観点
- デザインエンジニアになれば、単純にできることが増えるため取れる案件の幅が広がる。
- とはいえ、これだけだとメリットが薄くて、なぜなら案件を探すだけならエンジニアでも仕事がたくさんあるのが今の市場の状況。
- だが、デザインエンジニアとなれば「デザインからエンジニアリングまで一貫して行えます」と営業を行えるようになる。
- 先方としても、エンジニアとデザイナーを同時に雇えるため人を探す手間が減るため、多少単価が高くても採用するメリットがある
6. エンジニアライター
技術系のライターとして、技術記事を書く副業です。
先に結論なのですが、あまりおすすめしていないです。
理由として、一般的なエンジニアの開発をする副業よりも全体的に得られるものが少ないからです。それなら開発の副業をやるほうが良いかと思います。
エンジニアライターの特徴として、下記通りです。
- 単価が低い(開発の仕事と比較すると)
- 得られるキャリア、スキル、コネクションが少ない
- 書くことが好きな人にはおすすめできる
1点だけ優位な点としては「ライティングのスキルが上がる」という点があります。 ただ、重要度としてはそこまで極端に高いわけではないため、メリットとしては薄いかと思います。
ストックビジネスのエンジニア副業
ここでは、エンジニア向けの副業の中でストックビジネスを紹介していきます。
「難易度」の観点でマッピングしてみました。 注意書きなのですが、 例えば、ストックビジネスの中の1つの「個人開発」でも「ポートフォリオを作る」ことがゴールなら難易度は低くなります。 つまり、ゴールをどこにおくかで変わってくるので、このマッピングはあくまで参考程度にしてください。
では、ここから1つずつみていきます。
1. 技術ブログ(無形資産用)
技術についての記事を書いて、ポートフォリオを充実する活動です。
もし「ストックビジネスを初めてみたい」というエンジニアがいるなら 「マネタイズは狙わない無形資産用の技術ブログ」を運営するのが個人的におすすめしています。
理由としては、無形資産のための技術ブログなら他の難易度が高いストックビジネスよりもはるかに簡単な上、 失敗要素がほぼなく本業のエンジニアのキャリアをプーストさせることができるからです。
この後に紹介するストックビジネスの1つである「文字コンテンツ」の1つなのですが、 技術ブログだけは特別な位置づけで紹介しつつおすすめしています。
- 前提としてストックビジネスはめちゃくちゃ難易度が高い
- いくつもあるストックビジネスの中で比較的に難易度が簡単めのアフィリエイトブログですら、1万円を稼げれずに挫ける人が大半です。
- しかも、副業として考えると投下できる時間も少ないので、なおさら難しい。
- それでもストックビジネスをやってみたいならどうすればいいのか
- まずは、有形資産ではなく無形資産を得ることを目的にした技術ブログを運営するのがおすすめ。
- 「無形資産性特化の技術ブログ」戦略
- 技術ブログで、マネタイズは狙わない
- 技術ブログは、本業のキャリアをブーストさせるための無形資産として作る
- 効果
- 技術ブログの記事が、営業活動を行ってくれる
- 副業、転職の時にポートフォリオとして使える
- ライティングスキルが上がる
- マネタイズ
- Zenn なら技術記事を販売できるため、ゆくゆくは教材コンテンツを作るステップアップもできる
- 自前ブログならアフィリエイトを張れるため、技術書やガジェットを紹介するときにアフィリエイトで小銭を稼ぐ程度はOKかと思います。逆に小銭稼ぎ程度しかできないです。
技術ブログの運営として、下記の選択肢があるかと思います。
- 自前のブログ
- Qiita
- Zenn
- はてなブログ
はじめてなら「Zenn」がおすすめで、ブログ構築したかったりカスタマイズをしたければ「自前ブログ」で運営するのがいいかと思います。 特に、今回の目的が無形資産を作ることですが、ブログ構築よりも最初は「技術記事」を資産として作ることをおすすめします。
自前のブログを構築するのも楽しいのですが、慣れていないと思っているよりも時間がかかります。 私も初めて技術ブログを自前で作った時も「記事を書きたいはずなのに、ブログ作りが終わらない」という状態が最初のうちは長く続いていました。 正直、いま自分がやり直すなら最初はZennでやります。特に、Zenn の場合はアフィリエイトは貼れないですが、Bookにして記事を販売することもできるため、 あとあと教材コンテンツ化を目指すこともできます。
- おすすめしない方法
- note / Medium: コードブロックの表現が乏しいので技術ブログに向かない
- dev.to: 日本ではあまり一般的では無いため
- WordPress: ソフトウェアエンジニアからしたらDXが悪く、技術的に得られることも少なく、運用コストも高いので
2. 文字コンテンツ
文字コンテンツを使ってビジネスをする副業になります。 例えば当メディアもこのカテゴリになります。
例として下記のようなものになります。
- 転職メディア
- ガジェットメディア
- 雑記メディア
特徴としては、下記の通りです。
- メリット
- はじめやすく、更新しやすい
- SEO、マーケティング、ライティングのスキルなどが上がる
- スキマ時間でも進められる
- デメリット
- 競合が多い
- マネタイズが難しい
- 生成系AIの台頭で今後どうなるかが怪しい
3. 動画コンテンツ
動画コンテンツを使ってビジネスをする副業になります。
基本的に、YouTube が投稿先のプラットフォームになり、 エンジニアとしては、下記のような内容を発信する形です。
- 技術系の情報発信
- LiveCoding(教材とやや近い)
コンテンツの方向性にもよりますが、エンジニアの副業の動画コンテンツの特徴としては下記のような点があります。
- 本業のキャリアとシナジーがある伸びる
- 本業のポートフォリオの1つとなる
副業として考えると、YouTubeで収益化をするのはハードルがかなり高いです。 実際、YouTubeを本業としている人でもコミットする時間はかなりかかっている上に、 それでもマネタイズできていない人も多いのが実態です。 そのため、副業として考えるのはあまりおすすめはしていません。
4. 教材コンテンツ
教材を作成して、それを販売する副業です。 スキル・知識・経験を教材という形に落とし込み、その教材を販売する副業です。
他のストックビジネスとの違いとしては下記の通りです。
- 本業とのシナジーがとても強い
- 本業で学んだ内容のアウトプット先になる
- 教材コンテンツの内容が書籍化などすれば、本業で良い仕事が見つけやすい
- 「得られる収益」という観点では、やや弱い
- かけるコストが高いが、教材自体から得られる収益性は低い
メディアの形態としては、大きく文字か動画の2通りがあるかと思います。 また、アウトプット先としては下記のようなプラットフォームや手段があります。
- 動画
- Udemy
- 文字
- Zenn
- TechPit
- 同人誌
5. 個人開発
個人で開発したアプリケーションでビジネスをする副業です。
特徴として下記のような点があります。
- アイデア次第なので、マネタイズができるかどうかの再現性が全くない
- スピード・品質として、技術スキルが必要
- サービスのグロースとして、マーケティングスキルがかなり必要
- 事業性が高いので、成功すると事業化したり売却などの選択肢が多い
- ポートフォリオになる
- 得られる無形資産が多い(経験、技術力、デザイン力、マーケティング力)
副業として考えると、平日の夜や土日に開発をすることになりますがコードを書くのは楽しいので比較的継続はしやすい部類かと思います。 ただ、ビジネスとして考えるとマネタイズができるまでサービスを作るのは、かなり難易度が高いため「当たればいいな」くらいの気持ちで始めるのはいいかと思っています。
エンジニアとしては「個人開発でビジネスをする」という経験は非常に価値が高いです。 これは、本業のキャリアとしてもスキルが伸びるのと、転職時にもポートフォリオとして使えるからです。 また、成功すれば大きく伸びる事業である一方で、失敗しても失うものは限りなく少ないです。 外注してお金を払っていたら失敗時のリスクは高いですが、 エンジニアが自分で起業する場合は自分の労働力をそのまま使えばいいので、 損失は時間だけになります。しかも、経験を通して技術力が上がり個人開発のノウハウも溜まるため損失とは言えないとも言えます。
まとめ
エンジニア向けの副業の紹介をしてきました。
- フロービジネスのエンジニア副業
- 開発
- 技術顧問
- プログラミング講師
- メンター
- UI/UXデザイン
- エンジニアライター
- ストックビジネスのエンジニア副業
- 技術ブログ
- 文字コンテンツ
- 動画コンテンツ
- 教材コンテンツ
- 個人開発
ひとえに「副業」と言っても、その中身は多岐にわたります。 ストックかフローかによってマネタイズも変わってくることや、仕事内容によって得られる資産の種類も大きさも異なるという点などがわかったかと思います。
この記事をきっかけにエンジニアの副業を初めてくれる人がいれば幸いです。