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エンジニアが貯める無形資産と有形資産の違い

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Nash
SE→Webエンジニアに転職後、フリーランスとして独立し、北米でソフトウェアエンジニアをしていました。

「稼ぐ」と聞いて「お金」以外のモノを稼ぐことを意識したことはありますか?

「稼ぐ」対象は必ずしもお金だけではありません。 ここでは、資産という観点で有形資産と無形資産の違いについて解説していきます。

「有形資産」と「無形資産」の知識と比較

「資産」とは、「有形資産」と「無形資産」の2つに分けることができます。 それぞれの資産を具体的に例を挙げると下記のようなものです。

  • 有形資産=お金、不動産など、目にみえる直接的な資産
  • 無形資産=コネクション、キャリア、スキル、フォロワー数など、目に見えにくい間接的な資産

具体例で見ていきましょう。仕事をするときに資産を稼ぐはずですが、下記のように分解することができるはずです。

  • 例1) 「単価が高い仕事」とは、「有形資産のお金を多く稼げる仕事」
  • 例2)「スキルが身に付く仕事」とは、「無形資産のスキルを多く稼げる仕事」

無形資産だけあっても意味がない

ここで重要な観点の1つですが「無形資産はそれだけでは換金性がない」という点です。 そのため、無形資産を有形資産に変えるための手段が必要になります。

例えば下記のような例を見ると、その観点がわかるかと思います。

  • 高いITスキルがあるが、仕事はコンビニのバイトのみしている人。
  • SNSのフォロワーが多い人だけで、何もビジネスなどもしていない。

あくまで「無形資産は有形資産を得るための手段や原資」だと考えるといいかと思います。

無形資産は減ることもある

「無形資産は使用したり時間経過で減る」という特徴があります。

例えば、下記のような例を見るとわかるかと思います。

  • 高いITスキル・知識・経験があるが、それが30年前のものなら、すでに使えないものになっている
  • SNSにて広告を出すと、広告料が稼げるが、フォロワーが減る

そのため、「新しいスキルを得る」などの「無形資産を稼ぐ」ときは、その資産が時間経過でどれくらい減少しやすいジャンルなのか、またはどうしたら減ってしまうのか、などを意識しておくといいかと思います。

エンジニアの有形資産

エンジニアが稼いだり、日常生活で扱う有形資産としては下記が代表されるかと思います。

  • 現金
  • 株式・証券
  • 不動産

ただ、その中で重要となる現金について、ここでは取り扱います。


現金は、エンジニアとして仕事をする上で最も直接的な報酬としてなります。

エンジニアのキャリアの文脈でいうと、「単価」「年収」などのキーワードとなりますが、基本的にエンジニアは高単価・高年収な職種です。 ここで、なぜ金額が高いのかを考えると下記の観点があるからかと考えられます。

  1. 専門性|専門職なので誰でもできるわけではないから
  2. 供給不足|需要が高いのに、供給が足りていないから
  3. ビジネス影響度|システム開発がビジネスインパクトが大きいから

「専門性」について、それこそ、「できる人」と「できない人」で生産性が100倍になることも珍しくない職種です。 その上、エンジニアの仕事結果はビジネスとしても大きな影響を与える内容です。 そのため、「誰でもできる仕事」や「単純作業」などに比べるとエンジニアの単価は高い傾向になっています。

「供給不足」について、エンジニアの需要は年々増加している一方で、エンジニアの供給は追いついていない状況です。 そのため、求人市場においてもエンジニアへの単価・年収を高くしてオファーしないと採用活動が難しい状況になっています。

「ビジネス影響度」について、エンジニアが作るシステムはビジネスに大きな影響を与えるものです。 今までは「ITとは、コアビジネスのサポート」という立ち位置でしたが、今では「ITこそがビジネスの中核」というところにまで来ています。 もう少し具体的にいうと、会社の経営判断としてIT投資で多くの金額を注ぎ込んでもそれ以上に大きなリターンを得られる期待値が高いため、エンジニアへの人件費という予算も多く支払うことができるわけです。

エンジニアの無形資産

エンジニアが稼いだり取り扱う代表的な無形資産について考えていきます。 下記の資産について1つずつ紹介していきます。

  1. 技術力
  2. キャリア
  3. ソフトウェア(個人開発)
  4. コネクション
  5. 英語力
  6. アンラーニング・リスキリング力
  7. 起業・独立・副業ナレッジ

1. 技術力

エンジニアとして扱う技術的なスキルのことです。

エンジニアが持っている無形資産の中では、1番重要だと言ってもいいかと思います。細分化すると下記のようなものがあります。

  • ITリテラシー
  • ソフトウェア開発のためのお作法・ナレッジ
  • プログラミング(設計力、実装力、言語の知識、デザインパターンなど)
  • インフラ(構築、設計など)

この技術力について、下記のような観点で重要な役割を果たします。

  • 本業|本業で成果を出すため
  • 応用力|プログラムを書くことでなんでも応用できる
  • 技術力の証明|転職・副業時の面接時に証明する必要があるため
  • ポジティブループ|1度スキルがつくと、仕事を通じてさらに伸びる
  • 賞味期限が短い|技術が陳腐化する速度が早い

「本業」では、エンジニアの仕事は技術力がなければ成果を出すことができません。 グローバル基準で見ると、IT系だとのマネージャーラインや経営ラインだとしてもエンジニアリングができる能力は必要だとみなされています。

「応用力」では、副業・起業・プライベートなどでもこのスキルが使える点です。 例えば自動化のプログラムなどを自分で書くことができるため、他の人は手動でやらないといけないことも私たちは全て自動化していき、レバレッジをかけることができます。

「技術力の証明」では、転職・案件探しの面接時にも重要な要素となります。 基本的に、面接時には技術面接がありその中では自分自身の技術力を証明する必要があります。 面接の形態は様々ですが、どの形にしても技術力がないと通過することは難しいです。

「ポジティブループ」では、技術力は仕事を通じてさらに伸びるという点です。 仕事を通して技術力がつき、さらにそのあとは、得た技術力をもとにさらにスキルがつきやすい転職や案件を探せるようになります。 そのため、基本的にはエンジニア業を続ければ続けるほど、技術力は際限なく成長していきます。

「賞味期限が短い」では、技術が陳腐化する速度が早いという点です。 特に、現代のITエンジニアが取り扱っている内容は、新しい技術が次々と出てくるため、賞味期限が短い傾向です。

2. キャリア

エンジニアとして、今まで何を成してきたかの権威的な無形資産です。 下記のような観点で説明していきます。

  • ファーストコンタクト|関係が浅いうちはキャリアをもとに信頼を得やすい
  • 本質の観点|技術力

「ファーストコンタクト」について、キャリアという無形資産が効力を出すのは主にはじめての関係性をもつ相手に対してです。 キャリアとは、言い換えれば肩書き・実績という権威的な側面が強く、関係が浅いうちはこの資産を使って信頼を得やすくなります。 例えば、「何を言った」よりも「誰が言った」の方が大事な場面もあります。

「本質の観点」として、いくらキャリアがあっても実際のスキルが伴っていなければ、どこかで問題が出てきます。 そのため、中長期的な観点で見るとキャリアは意味がなく、本質となるのは技術力の方です。 あくまで、キャリアはファーストコンタクトで信頼を補強するための資産と考えるのがいいかと思います。

3. ソフトウェア(個人開発)

エンジニアとして、個人で開発してきたソフトウェアのことです。

  • 事業性|原資がなくプログラムの開発ができる
  • ポートフォリオ性|開発してきたものを実績として出せる

「事業性」として、ビジネスを前提とした個人開発を行うことができます。 特にエンジニアは自分でプログラムを書くことができるため、仮にビジネスとしてプログラムを書く必要があるとしても外注する必要がなく自分でできるメリットがあります。

「ポートフォリオ性」として、個人開発を行った結果として技術力の証明を行うことができます。 例えば「ソフトウェアを作る」という大きさではなく「OSSのコントリビューションをする」「自分の小さなプログラムを公開する」という形でも、開発はすることができます。 そして、それらは実績となり技術力の証明をしてくれる無形資産として使うことができます。

4. コネクション

エンジニアとして、今まで主にビジネスで関わってきた人たちとの関係性です。 下記のようなときに効力を発揮します。

  • 知りたいときに効く
  • 仕事探しで効く
  • 人材探しで効く

「知りたいとき」について、例えば新しい技術を学びたいときに、その技術を使っている人がコネクションにいれば、その人に直接質問することができます。 つまり、技術的に困ったときに、コネクションがあれば解決策を得るチャネルを持っているわけです。 また、技術だけに限らずに仕事全般でも同じように使えます。

「仕事探し」について、例えば転職するときに、コネクションがあればその人の紹介で面接を受けることができ、選考プロセスが進みやすくなります。 他にも、副業やフリーランスになったときにコネクションがあれば仕事を探しやすいです。

「人材探し」について、エンジニア採用をする立場となったときに、自分の今までのコネクションを使って採用できそうな人がいないかを探すことができます。 特に、今のエンジニアの市場では人材が市場に出る前の時点で取り合いにまでなっているため、逆にいうとコネクションがないと良い人材を採用するのは限りなく不可能になってきています。

5. 英語力

エンジニアとして、英語を使うスキルです。

エンジニアと英語の親和性はかなり高いため、重要な無形資産となります。特に下記のような観点で重要になります。

  • プログラミングが英語ベース
  • 技術界隈は英語が公用語
  • 海外の仕事を取れる

プログラミングについて、プログラムとは英語がベースによって作成されます。 そのため、変数名、関数名などを普段から英語で書く必要があ流ため、英語力があればプログラムの読み書きがスムーズになります。 つまり、普段の仕事の成果に直結するスキルの1つとなるわけです。

公用語について、世界標準の技術界隈では英語が公用語となります。 そのため、新しい技術が出たらまずは英語のドキュメントを読む必要があります。 また、読むだけでなく、必要に応じて自分で英語で質問をすることができるというスキルも重要です。

海外の仕事について、エンジニアの能力は国境を超えて通用するため、海外の仕事を取ることができます。 一番のネックとなるのは言語です。ランゲージバリアという概念があるくらい、言語とは大きな壁となります。 実際、日本も日本語という大きなランゲージバリアがあるため、アジア圏の人が出稼ぎに来ることが少ない実情があります。 逆に、私たち日本人も英語が足枷となるのですが、この問題をクリアできれば海外の仕事も取ることができるようになります。

6. アンラーニング・リスキリング力

エンジニアとして、新しい物事を学ぶための力です。

このスキルを意識しているエンジニアは少ないですが、汎用性の高い大事なスキルのかと思っています。 このスキルの特徴を下記にまとめます。

  • 学ぶ力|新しい技術、知識を学ぶ力
  • キャッチアップ|ドメイン知識のキャッチアップの早さ
  • 姿勢|新しいことを学ぶ意欲と姿勢

「学ぶ力」という点だと、 エンジニアをしていると常に新しい技術・知識を学ぶ必要があるかと思います。 その中で、「どのように情報を仕入れるか?」「どのように学習していくか?」を経験を通して磨いていくことになります。

「キャッチアップ」という点だと、 転職・副業などで新しい職場やプロジェクトに入ったときに、 どれだけ早く正確に新しいドメイン知識をキャッチアップできるかのスキルとなります。

「姿勢」という点だと、 そもそも新しいことを学ぶ意欲と姿勢を持てるかどうかという点です。 本業でエンジニアをしていると、当たり前のように毎日が勉強なので意識することがないかもしれませんが、 別業種の人だと新しいことを学ぶことに億劫になっている人も多いからです。

7. 起業・独立・副業ナレッジ

エンジニアとして、起業・独立・副業を行ったことのある経験や知識です。

具体的には下記のような経験・知識があります。

「副業」について、正社員をやりながら副業をする経験・知識です。 正社員と副業のバランスを取るタイムマネジメントのスキルや、 確定申告などの税金の知識や、顧客との契約についての知識などがあります。

「独立」について、フリーランスエンジニアとして活動する経験・知識です。 確定申告などの税金の知識や、顧客との契約についての知識、 自分のビジネスをどう運営するかのオーナーシップなどがあります。

「起業」について、会社を設立してビジネスを行う経験・知識です。 法人設立の手続きや、法人の税金の知識、 人を雇ったりする経験・知識などがあります。

エンジニアは資産とどう付き合うか

ここでは、エンジニアが資産との付き合い方について考えていきます。

有形資産と無形資産の重要度は人それぞれ

仕事を選ぶときは「有形資産」だけでなく「無形資産」も考慮して決めていきます。

まず基本として「稼げる有形資産・無形資産の量は、多ければ多いほど良い」という考えは持っておきます。 同じ仕事なら稼げる仕事の方が正義です。

ですが、「有形資産と無形資産のどちらを重視するか?」「無形資産の中でもどれを重視するか」は個人の考え方次第です。 例えば、下記の2つの副業があったとして、どちらを選んでも正解かと思います。

  • 例1) 本業のスキルを使うので、単価が高い副業(スキルの成長は少ない)
  • 例2) 経験が浅い領域なので、単価が低い副業(スキルの成長は大きい)

重要なのは、自分で自分のキャリアの方向性を決めてそれに合った選択をすることです。

まとめ

エンジニアが稼ぐ資産について、有形資産と無形資産に分けてそれぞれ紹介してきました。

この記事がどなたかの参考になれば幸いです。