Skip to content

Googleが教える良い履歴書・Resume|北米就活の経験者が書き方を解説

Nashの画像
Nash
SE→Webエンジニアに転職後、フリーランスとして独立し、北米でソフトウェアエンジニアをしていました。

この記事で解説する「Googleが良いと認める履歴書の書き方」を読めば、 「世界トップレベルの企業が、良いと認める履歴書の書き方」を実践できるようになります。

では、みていきましょう。

Create Your Resume for Google: Tips and Advice の内容

Google は採用プロセスについて、オープンにしていることで有名です。 ここでは、「良い履歴書」の書き方を公開しているため、この内容について整理します。

  • YouTube - Create Your Resume for Google: Tips and Advice
    1. Resume Basics: 履歴書の基本
    2. Student: 学生と社会人の違い
    3. Education: 学生時代の経歴
    4. Experience: 職務経歴
    5. Accomplished [X] as measured by [Y] by doing [Z]: 数字で表現するフレームワーク
    6. Optional: その他

注意として、英語圏での履歴書の書き方になります。 そのため、日本での履歴書とはややフォーマットや考え方が違う点もありますが、 グローバルスタンダードかつ世界最高峰の企業である Google が推奨する書き方なので、参考になる点は多いと思います。

では、1つずつみていきます。

1. Resume Basics: 履歴書の基本

履歴書の全体を通して、これらの基本的なポイントを意識します。

  • Format
    • シンプルで、一貫性のあるデザインで、フォント、サイズ、スペースを統一する。
    • 黒か暗い読みやすいい色を使う。
    • PDFのフォーマットにする
  • Content
    • 連絡先をトップに書く
  • Length
    • 1ページにまとめる。2ページ以上にしない。
    • 応募先と関連のあることについて書く。
    • 箇条書きで一貫性のあるフォーマットで書く。なるべく短く書く。
    • typo に注意する。
  • 技術者向け
    • プログラミング言語をトップに書く
    • GitHub、OSSなどのアウトプットを書く

2. Student: 学生と社会人の違い

学生・社会人の違いとしてアピールポイントが異なります。

優先してアピールしたい内容は、最初のセクションに書くようにします、

  • 学生なら、学歴、学校のプロジェクト、インターンシップ、ボランティアなどを最初に書く。
  • 社会人なら、前職の経験などを最初に書く。

3. Education: 学生時代の経歴

学生時代の経験について書きます。

  • 学歴と専攻を書く
  • 時系列で新しい順に書く
  • 年月の両方で書く(例: 2015年9月 - 2019年6月)
  • まだ学生なら、卒業予定の日付で書いて補足をする。
  • その他

4. Experience: 職務経歴

仕事の経験について書きます

  • 時系列で新しい順に書く
  • 雇用主、ポジション、日付、を年月で書く。
  • 箇条書きで書く。
  • アクションワードを使う(作った、デザインした、デバッグした、交渉した、開発した、など)
  • データを使って書く。
  • 技術者向け
    • プロジェクトごとにプログラミング言語を太字で書く

5. Accomplished [X] as measured by [Y] by doing [Z]: 数字で表現するフレームワーク

数字による成果を示すためのフレームワークで書きます。

英語ベースでこのフレームワークに従って書くと下記のようになります。

  • ex) Increased server response time by 15% by restructuring API
    • Accomplished [X]: Increased server response time
    • as measured by [Y]: by 15%
    • by doing [Z]: by restructuring API

日本語で見るとこうなります。

  • ex) APIの再構築によりサーバーの応答時間が15%向上
    • 達成したこと: サーバーの応答時間の向上
    • 測定した内容: 15%
    • どうやって: APIの再構築

6. Optional: その他

その他のセクションについて書きます。

  • 学んでいること、特にリーダーシップをとるポジション。
  • Accomplished [X] as measured by [Y] by doing [Z] を使うこと
  • アウトプットのリンクをかく。
  • その他の経歴・経験を書く

解説

ここまでで、Googleが推奨する履歴書の書き方について解説しました。

ここからは、私の経験や考えを通じて実際に履歴書を書くときのポイントを解説します。

特に、私が北米で就活した時も、この動画で書かれているフレームワークを使って履歴書を書いていました。 ただ、知識でわかってもそれを書けれるようになるまでには時間がかかりました。 そのためここでは、最終的に私がどのようにして書いていったのかをステップごとに解説していきます。

Accomplished [X] as measured by [Y] by doing [Z]フレームワークを使う

数字による成果を示すためのフレームワークを実際に使います。

いきなり、このフレームワークを使って書くのは難しいかと思うので、下記のステップで書いていきます。

  1. アクション:自分がやったことを書く
  2. 結果:その結果どうなった?を考える
  3. 数字:結果に対して数値を示す
  4. まとめる:フレームワークに沿って書く

1つずつ見ていきます。

1. アクション:自分がやったことを書く

まずは、それぞれのプロジェクトであなたが何をしたのかを書きます。

  • 例) 機能を開発した。(Developed features.)
  • 例) パフォーマンスを改善した(Improved performance.)
  • 例) デザインした。(Designed app.)
  • 例) 新人教育した。(Trained new comers.)

このステップでは、詳細は書く必要はあまりないです。目的として洗い出すことが大事です。

2. 結果:その結果どうなった?を考える。

洗い出した内容に対して「その結果どうなったのか?」を改めて考えて書きます。

  • 例) 機能を開発した→ユーザーが増えた→売上が上がった
  • 例) パフォーマンスを改善した→アプリの起動時間が早くなった
  • 例) デザインした→UXが良くなった→CVが上がった
  • 例) 新人教育した→チームの生産性が上がった→機能開発のスピードが上がった

ここで大事な観点としては下記のようなポイントです。

  • 「自問」
    • 「それでどうなった?」と自問をしていくと、どんどん本質的な成果に近づくはずです。
    • 1番の根っこは売上が上がった、という点ですが、意図的に途中で止めることも大事です。
    • 例えば「アプリの起動時間が早くなった」も「それでどうなった?」と自問すれば「ユーザーの滞在時間が伸びた」とできますが、ここでは意図的に止めます。
  • 「発想の逆転」
    • もしうまく考えられないなら「そのアクションをしなかったら、どうなっていた?」と逆側の発想から考えのもいいかと思います。
    • おそらく「作業の効率が悪いままだった」とか「ユーザーが不便な状態だった」となるはずです。

3. 数字:結果に対して数値を示す

先ほどの結果をさらに数値で考えます。

  • 例) 機能を開発した→…→売上が上がった→10%上がった
  • 例) パフォーマンスを改善した→アプリの起動時間が早くなった→50%早くなった
  • 例) デザインした→…→CVが上がった→5%上がった
  • 例) 新人教育した→…→機能開発のスピードが上がった→10%上がった

仕事中に、数字は測定しているはずなので、実際にどれくらいだったのかのデータを確認してください。

数字がわからないとき

仕事では、数字を測定しているはずですが現場や仕事によっては数字を取らずに進めることもあるかと思います。 そのときに数字をどうするかの選択肢として下記の2つがあります。

  • 数字は書かない
  • 「感覚値としておおよそこれくらいだった」という意味合いで記載する

数字で示さないで書くことも選択肢の1つだと思います。

ですが、大事なのは、成果がどれくらいだったのかをできる限り定量的に伝えることです。 そのため、感覚値としてでも数値を書くことで面接官はあなたの成果を理解しやすくなります。

もちろん面接時に「どうやって測定しましたか?」という質問が来る時もありますが、 そのときは嘘はつかずに、感覚としてこれくらいでした。ということを伝えるのがいいかと思います。 ただし、その感覚値の根拠は論理的に伝えられるようにしておいてください。

それでも数字が出てこないとき

どうやっても数字が出てこないなら、2. 結果:その結果どうなった?を考える。 のステップに戻って違う観点での結果がないか?を考えてみます。

例えば、下記のような切り口もあります。ただし、ビジネスインパクトに直結しない成果でベストではないですので、あくまで選択肢の1つとして考えてください。

  • N個の機能を作った
  • N行のコードを削除した
  • N個のモジュールをリファクタした

どうしても考えつかないならこのような選択肢も考えてみてください。

特に、0→1のプロジェクトだと機能開発の結果は数字に出しにくいのでこのような形になってしまうこともあるかと思います。 その点は、面接時に口頭で補足しておくのがいいかと思います。

まとめ

ここまでで、Googleが推奨する履歴書の書き方について解説しました。

この記事がどなたかの参考になれば幸いです。